下手の横好き日常log

今を楽しみながら生きていく

大人になったと思うとき。

小学校の恩師と再会した。

仕事を通じて、完全に偶然に。

私は担任の先生のフルネームは当然覚えていたけど、先生が私のネームカードを見て、即座に「もものみちゃん?!」と声を掛けてくれたのにはちょっと驚いた。

私にとっては先生は1人で、先生にとって生徒は30人いたんだもの。私が卒業してから、20年くらいは経っているので、担当した生徒はさらにその何倍にもなるはずなのに。当時のクラスメイトの名前も特徴も大体覚えていてくれたのにも驚く。

顔を合わせたのは小学校卒業以来。

懐かしくて、それでちょっと立ち話。

当時先生は新卒で小学校卒業までを担当してくれた。初めて受け持った小学校のクラス担任だったはず。

あの頃を振り返って、

「私とんでもない担任だったでしょう?」

と苦笑いしていた。

思い返せば、しょっちゅう学校中に響き渡るような大声を張り上げて生徒を怒鳴っていたし、生徒がおしゃべりばかりで先生の話を聞かなかったときは泣きながら教室を飛び出していった記憶がある。

その後、緊急クラス会が開かれてとりあえず職員室までクラスメイト皆で謝りに行った。

今思えばクラス長しっかりした人だったな。そんな状況でクラスメイトまとめたんだから。

うーん、口には出さなかったけど、大人になって思い返すととんでもないといえばとんでもない。叱るというより、感情に任せて大騒ぎするタイプのようにも思う。

実際当時も子供ながらに、怖い先生、大騒ぎする先生と思ったことがあった気がする。

でも、

「いや、大変だったと思いますよ。新卒で30人も子供をまとめないといけなかったんですから」

新卒でクラス担任を受け持ったということは、確か23〜24歳くらいだったはず。

小学生からしたらいい大人だけど、今の私からしたらまだまだ若者だったりする。

ほぼほぼ初めての社会経験だ。

大変だっただろうな。

たくさんの子供をまとめ上げるには思い通りにいかないことの方が多かったはずだ。

…いっぱいいっぱいで爆発したくもなるだろう。

それでも、30人の子供たちを前にテキパキと授業を進めて、時に柔軟に子供達と遊んでいた姿もあったと覚えている。

そういえば授業参観日も、高熱を出しながら元気に授業してたっけ。

新卒の頃の私に同じことが出来ただろうか?

私の新卒の頃の、やらかしまくったとんでもなさに比べれば、全然とんでもなくないと思う。

少なくとも、20年くらいは経っているのに当時の生徒の名前をちゃんと覚えているくらい、しっかりクラスのことを見ていてくれたんだから。

 

当時小学生だった私からすると、感情激しめの地雷のある先生だった。

当時新卒だった先生からすると、いっぱいいっぱい精一杯だった。

今の私からみるとすごく大変だったんだろうなと理解できるし、今の先生からみると未熟でとんでもなかったのかもしれない。

 

20年、お互いに経験を重ねて歳をとりましたねというお話です。

昔のことを思い出すとき、モノの見方が変わっているのが大人になったってことなのかもしれない。