下手の横好き日常log

今を楽しみながら生きていく

自分のペースとお互い様。

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子供の頃は集団行動が苦手だった。

周りに合わせるのが嫌いだった。

いや、周りに振り回されるのが大嫌いだったのだ。

 

掃除の時間は早く終わらせて帰りたかったし、グループの課題だって早く終わらせてしまいたかった。

 

ホウキを振り回してふざけている男の子たち、ただただおしゃべりをして何もしない女の子たち。

 

私は一生懸命やろうとしたのに、周りの子たちがヘラヘラふざけていたせいで自分も叱られたことが納得いかなかった。

 

いっそ他の子たちはみんないなくていいから、自分1人全部でやらせてくれないか。

 

列をなして集団で歩く事はもっと嫌いで、必ず道草を食って列を乱す子がいるのが気に入らなかった。

私は早く目的地について遊びたかったのに。先生は並んで歩いてと言っているのに。

 

ちゃんとついて来ない子が、なんだかとても疎ましかった。

 

だから昔から1人遊びの方が好きだった。1人で歩くのが好きだった。

長い休みの後は学校へ行きたくなくてこっそり泣いていた。

 

それでも少し成長して、自分と同じペースで歩く友達ができた。

 

もっと大人になると、今度は自分がペースを乱す側になることもあった。

 

先輩に「なんで言われたことができないのか」という顔をされるたびに、子供の頃と立場が逆になったなと思う。

覚えが悪い後輩で申し訳ない。別にふざけてついていけないわけじゃないけれど、ペースを乱す存在が鬱陶しいのはよく分かる。

 

「大丈夫、気にしなくてもいいから一つずつやってみて」

そう言って、鬱陶しそうな顔をせず、当たり前のように、私のペースに合わせてくれる人がいたのがとても衝撃だった。

私に教えるよりも自分でやった方が早く終わるはずなのに、その方が楽なはずなのに、それでも待っていてくれて手を貸してくれるのだ。

 

「お互い様だからね」と言われた。

ついていきたくてもついていけない人もいる。ついていく気がないわけじゃない。

自分のペースが乱れたとしても、ちょっと手を貸してあげれば劇的にペースアップすることがある。

そしてペースアップした人に、背中を押してもらうこともある。

 

だから、お互い様。

 

私はあの時手を貸してくれた優しい先輩の、背中を押すことが出来たのかな?

出来ていたらいいんだけど。

 

そう、お互い様。

覚えの悪い新人だった頃から少し年月が経って、今度は新人を見守る側になった。

「おーい、のんびりし過ぎだぞ」と心の中で思っても、一つずつ一生懸命にやっている姿を見守っている。

 

たまに心の隙間から、ペースを乱されることへの苛立ちが顔を出しても、自分の顔に出しちゃいけない。

お互い様、お互い様。

 

マイペースというのいつだってずっと難しい。

私は今日も根気強く、新人のペースを見守りつつ、少しずつ手を貸している。