この家の子供は私。実家の猫と私のお正月戦争。
今週のお題「わたしの実家」
我が実家にはお猫様がいます。
子供の頃から一緒に育った・・・とかではなく、私と弟が家を出てから迎え入れられた猫様です。
最初に会ったのは生まれて数か月目の正真正銘子猫の頃でした。
おそらくまだ誰が誰だかわかっておらず、誰にでもゴロゴロとグルーミングするかわいい時代。
それから数ヶ月して、昨年末と今年のお正月。実家に帰省しました。
猫ってすぐ大きくなるんですよ。
数ヶ月経てば、おそらく小学生が中学生になるくらいには成長していました。
子猫から大人猫の中間くらいでまあ可愛い。
「わあ、大きくなったね」
とまた撫でてやろうと思いました。
が、この前と様子が違う。
カッと目を見開いて、こちらから目を離さず恐る恐る距離をとりながら移動しています。
あれ・・・。
夕飯の席にて、私と弟が食卓についている姿を訝しげに遠くから眺めています。
いつも自分が座っている椅子に、見たことない人間が座っているのが不思議な様子。
「お父さん、なんで今日は構ってくれないの?」と言わんばかりに父の周りで大声で「にゃーーーーー」と声を張り上げます。
うーーーーん、どうやらこの家の子供は自分だと思っているようですね。
その後、ストーブの近くで暖をとりながら寝ていたので、そーっと撫でようとしたら手が触れた瞬間にビクッとしてすぐに退散。
ゴロゴロとグルーミングしてくれた頃のことはもうすっかり忘れて、私は知らない人間になってしまったよう。
人間で言ったら中学生、多感なお年頃ですもんね。
知らない人間にゴロゴロと擦り寄りたくもないよね・・・。
いやでも、元祖この家の長女である私としても新しい家族と仲良くしたいわけです。
一緒に遊んであげればちょっとは仲良くなれるんじゃないかな?という下心と共に猫じゃらしを振ってみました。
年末で忙しい父と母が構ってくれなかったことでフラストレーションが溜まっていたのか、すごい勢いで猫じゃらしに飛びつく。
猫って垂直方向にも飛べるんですね。
想像以上に超飛ぶ。
思えば知らない人間に興奮状態だったんでしょう。
揺れてない猫じゃらしにも飛びつく飛びつく。
人間の方がちょっと疲れてくるくらい。
そして、ほんの少し目を離した瞬間、猫じゃらしじゃなくて私の手の方に鋭い牙でガブーーーーーー!
きゃーーーー!
思わず落とした猫じゃらしをそのまま咥えて、猫さま退散。
手の方はめっちゃ流血した・・・。
ううううう、この猫様と家族の絆を結ぶのは今回は無理でした。
お正月についた手の傷跡がようやく消えたので、猫じゃらしで遊ぶときは目を離さないという教訓と、警戒心を持っている猫様とは絶妙な距離感は保っていた方が安全という教訓も置いておきます。
そして現在も猫様は私の実家で両親に可愛がられながら、「この家の子供は私だけ」という顔をしていることでしょう。
いや、私もこの家の子供なんだよ、正真正銘。
君がこの家に来る30年も前から、この家で暮らしてたんだから。
私の方が大先輩のはずなのに、そんなことはお構いなしに我が物顔で我が家に住んでいる。
そんな小さな可愛い妹。
帰省のたびになんとか仲良くなれないかと、私のほうがあの手この手を繰り出していくのが目に見えていて、猫様の前では皆下僕というどこぞの名言が頭に浮かんだ。
次回は猫じゃらしじゃなくて、ちゅーるをあげようかな。
でも手の方を齧られそうなんだよな。